Japanese
English
特集 姿勢調節
運動失調における姿勢調節
Postural Regulation on Patients with Ataxia.
眞野 行生
1
Yukio Mano
1
1奈良県立医科大学神経内科
1Department of Neurology, Nara Medical University.
キーワード:
運動失調
,
重心動揺
,
運動制御
,
姿勢反応
Keyword:
運動失調
,
重心動揺
,
運動制御
,
姿勢反応
pp.95-100
発行日 1985年2月10日
Published Date 1985/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105323
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Ⅰ.随意運動と小脳
小脳の随意運動での役割は随意運動の制御が解明される中で次第に明らかにされてきている1~4).随意運動の発現には,動機をあたえる機能系,運動プログラムをつくりだす系,そしてそのプログラムに従ってさらに微細な調節を加えながら運動を発動・実行させる系がある.随意運動に動機を与える機能系として脳幹網様体と大脳辺縁系が想定されている.
随意運動のプログラムをつくりだす機能系としては,大脳皮質連合野を中心に,大脳基底核および小脳を含めた諸機能が考えられている.さらにプログラムに従って,微細な調節を加えながら運動を実行させる機能系としては,大脳皮質運動野,小脳,脳幹,脊髄とそれらを結ぶ錐体路および錐体外路の下行路,および末梢感覚受容器を含めた各種フィードバック情報の下行路が包括される.従来この随意運動の制御は四肢の運動を中心に研究がなされてきたが,躯幹の立位・姿勢の制御にもあてはまることがわかってきた.
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