Japanese
English
研究と報告
左半側空間無視患者の線分二等分検査における障害の検討
Disturbance on Line Bisection Task in Patients with Left Hemispatial Neglect.
平林 一
1
,
坂爪 一幸
1
,
平林 順子
1
,
遠藤 邦彦
1
,
牧下 英夫
2
,
宮坂 元麿
2
Hajime Hirabayashi
1
,
Kazuyuki Sakatsume
1
,
Junko Hirabayashi
1
,
Kunihiko Endo
1
,
Hideo Makishita
2
,
Motomaro Miyasaka
2
1リハビリテーションセンター鹿教湯病院リハビリテーション科
2リハビリテーションセンター鹿教湯病院神経内科
1Department of Rehabilitation, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center.
2Department of Neurology, Kakeyu Hospital Rehabilitation Center.
キーワード:
左半側空間無視
,
線分二等分検査
Keyword:
左半側空間無視
,
線分二等分検査
pp.123-129
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105771
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
左半側空間無視(USN)を有する患者では,線分二等分検査で二等分点が中心よりも右にずれることが多い1,2).Heilman and Valenstein(1979)3)は,左半側空間無視患者に,線の左端を強制的に見させた後に線を二等分させても右への偏位に改善がなかったことから,線分二等分検査の障害は線分の左側を見ないために生じるのではないと述べている,彼らは,①左側空間の不注意によって線の左側が充分に記銘されないために,中心を知覚的に判断する過程で右への偏位が生じるとする説(hemispatial inattention-memory hypotheses),②健側上肢で線分上に反応する過程で右への偏位が生じるとする説(hemispatial hypokinesia hypotheses)の二つを提起しているが,どちらの仮説が妥当であるかを検討していない.
今回われわれは,線分二等分検査の知覚過程を反応過程から分離して調べるために,健手を動かさずに口頭で線の中心を選択する検査(線分の中心点の弁別検査)を施行し,この成績と線分二等分検査の成績を比較することで上述の点を検討した.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.