Japanese
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特集 評価
ADLの評価
The Evaluation of ADL.
安藤 徳彦
1
,
大川 嗣雄
2
Norihiko Ando
1
,
Tsugio Ohkawa
2
1神奈川リハセンター
2横浜市大リハ科
1Kanagawa-ken Rehabilitation Center.
2Yokohama City University, School of Medicine.
キーワード:
評価
,
ADL
,
能力低下
,
労災補償
,
社会保障
Keyword:
評価
,
ADL
,
能力低下
,
労災補償
,
社会保障
pp.353-360
発行日 1984年5月10日
Published Date 1984/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105162
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緒言
日常生活動作(ADL)は関節可動域や筋力,筋の随意性,心肺機能などの加算された総合的な能力である.そのため,重複した障害の存在する場合には,個々の障害の総和としてのADLの能力を把握し,これによってその障害程度を表現することがしばしば行われている.一方,ADLは食事や排泄,入浴,更衣などの誰もが共通に繰り返す動作で具体的に評価されるために,その内容はリハビリテーション医学の専門的知識を持たない人々にも理解が容易である.これらの特徴の故にADL評価は障害程度を把握するあらゆる目的に非常に広範に利用されて来た.
その結果として,ADLはその本来の概念を越える内容までが評価の目的に要求され,その概念が無批判に拡大解釈されたり,他の概念・階層に属する評価と混同されたり,さらに評価の目的が異なっているにもかかわらず同様の項目と尺度が使用される傾向もうかがわれる現状にある.
本稿では,ADLを評価することの目的を分類整理し,多様なそれぞれの目的に対応した必要条件をまず検討し,また,リハビリテーション医学におけるADL評価の備えるべき条件も考察してみたい.
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