Japanese
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講座 リハビリテーション医学の評価法(10)
頸髄損傷四肢麻痺のADL
ADL Test for Tetraplegia.
安藤 徳彦
1
Norihiko Ando
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
1Kanagawa-Ken Rehabilitation Center.
キーワード:
頸髄損傷四肢麻痺
,
ADL
,
評価
Keyword:
頸髄損傷四肢麻痺
,
ADL
,
評価
pp.1033-1037
発行日 1982年11月10日
Published Date 1982/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104856
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Ⅰ.日常生活動作(ADL)の概念
障害をImpairment,Disability,Handicapという3階層に分けて捉える考え方については,上田の紹介1)などによって我が国でもすでに定着したようである.WHOの出版書物2)によると,能力障害とは個人の実際活動における正常からのずれを示すものであり,この概念は習慣的に期待される行動または活動の過剰または欠除を特徴とすると説明されている.そしてImpairment(機能障害)の内容は知能,精神,言語,聴覚,視覚,内臓器,骨格系(四肢運動機能を含む),外形などを含むとしている.一方,Disability(能力障害)は行動(behavior),情報交換(communication),身辺処理,移動,上下肢の制御,環境適合性,特定技術などだとしている.
この分類に対する考え方は,我が国にはまだ十分に浸透していないが,これから幅広い論議を呼び起こすと予想される.いずれにしても,日常生活動作に関係する項目は重要な比重を占めており,日本リハビリテーション医学会が採択したADLの概念と矛盾するものでもない.
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