Japanese
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講座 リハビリテーション医学の評価法(4)
脊髄障害の評価
Evaluation of Spinal Cord Lesions.
赤津 隆
1
Takashi Akatsu
1
1総合せき損センター
1Spinal Injuries Center, Iizuka.
キーワード:
脊髄障害の特徴
,
高位局在診断
Keyword:
脊髄障害の特徴
,
高位局在診断
pp.541-547
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104757
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いとぐち
脊髄impairmentの評価は,神経学的にその原因を明らかにし,その障害の高位(局在)と程度を診断し,その予後を判断することに要約される.早期診断はその後の治療方針決定のために,極めて重要なことであるが,早期には脊髄循環病態の変化による病巣の拡大範囲の予測が困難なために,必ずしも正確に可能ではない.どの程度回復性で,どの程度非回復性かの早期判断は困難が多いのである.
神経学的診断では,くわしく病歴を聴取し,必要な検査を行いつつ経過観察を行うことが必要とされる所以である.
脊髄障害の最近の傾向として,脊髄損傷は頸髄レベルに増加し,中心性障害,前部脊髄障害などの不完全損傷特殊型が増加しつつあること.頸部脊椎症,後縦靱帯骨化症,脊髄卒中,前脊髄動脈症候群などの脊髄血管障害,動静脈奇型,減圧症による脊髄障害など新たに注目された疾患の増加がみられることなどであろう.
これらの障害評価のすべてを詳述することは困難であるが,基本的な脊髄損傷を主とし,あわせて脊髄疾患の評価に必要な事項を要約して述べたいと思う.
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