Japanese
English
紹介
健常者における酸素富化装置(TO-40)の使用経験
An Evaluation of Oxygen-Enricher (TO-40) in Normal Healthy Subjects.
太田 隆
1
,
篠原 豊
1
,
石橋 朝子
1
,
赤津 博之
1
,
林 積司
1
,
猿橋 敏也
1
,
木田 厚瑞
2
,
福島 保喜
2
Takashi Ota
1
,
Yutaka Shinohara
1
,
Asako Ishibashi
1
,
Hiroyuki Akatsu
1
,
Sekiji Hayashi
1
,
Toshiya Saruhashi
1
,
Kozui Kida
2
,
Yasunobu Fukushima
2
1東京都養育院附属病院リハビリテーション部
2東京都養育院附属病院呼吸器科
1Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital.
2Department of Respiratory Disease, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital.
キーワード:
酸素富化装置の使用経験
,
膜型酸素富化装置
Keyword:
酸素富化装置の使用経験
,
膜型酸素富化装置
pp.537-540
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104756
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はじめに
1919年,Alvan L. Barach1)が著しい低酸素血症を伴う大葉性肺炎患者に酸素吸入療法を実施して以来,今日では,酸素吸入療法は,単に呼吸器疾患治療用にとどまらず臨床各科にわたり,広く,また種々の方法で利用されるに至った.Barachはまた,慢性閉塞性肺疾患(以下COPDと略す)患者にLow flow oxygen therapyを導入したことでも知られている2).最近になり主としてDenverのPetty一派により低酸素血症を伴うCOPDの長期管理においてHome oxygen therapyの有用性が主張されてきている7).またそのための酸素の発生,供給装置改善の努力もはらわれてきた.
Oxygen-enricher(酸素富化器)は,空気から酸素を分離・濃縮する装置であるが,これは空気中の酸素を何らかの物質に吸着させた後,物理化学的条件を変化させて酸素を放出させる吸着法によるものと,分離膜,有機高分子膜を利用した膜分離法とに大別される6).特に高分子膜法については,最近研究が急速に進歩し,その製品化もなされるようになってきた.しかしながらこれら新しい酸素富化装置が広く一般的に使用されるには,従来から使用されている酸素ボンベ法との対比検討が必要とされる.筆者らは最近開発された有機高分子膜法による酸素富化器(TO-40,帝人株式会社)を使用する機会を得たので,その使用経験を検討してみた.なお酸素富化器TO-40の原理図を図1に示した.今回は,対象を健常者のみとし,特に酸素ボンべ法との比較に目的をおいた.
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