Japanese
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特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅱ.片麻痺の機能障害と診断学
片麻痺の病態生理と予後
Pathophysiology and Prognosis of Hemiplegia.
上田 敏
1
Satoshi Ueda
1
1東大病院リハビリテーション部
1Central Rehabilitation Service, University of Tokyo Hospital.
キーワード:
片麻痺
,
病態生理
,
予後
Keyword:
片麻痺
,
病態生理
,
予後
pp.66-79
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104676
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はじめに
脳卒中による片麻痺は量的にみてわが国の身体障害のうちの最大のものであるだけでなく,質的にも代表的な中枢性麻痺として,科学としてのリハビリテーション医学の発展の上でも非常に大きな役割を果たしたといってよい.すなわち,1920~30年代にポリオと切断を主要な対象障害として,それらとのたたかいの中で技術的・学問的基礎を築きあげたリハビリテーション医学は,戦後まもなく,脳卒中(中枢性麻痺)という新しい課題と直面することによって,新しい次元へと飛躍する契機をつかんだのであり,この時はじめて,リハビリテーション医学は整形外科学の一部,あるいはその下位の学問であることを脱して,独立の臨床医学部門へと脱皮することができたのである.この論文ではそのようなものとしての片麻痺の病態生理,すなわち神経学的なメカニズムと,その予後について論ずるが,すでに筆者はこれまでにいくつかの機会にこの問題について論じたので,ある程度の重複を生ずることはお許しいただきたい.その上で,できる限り新しい視点をまじえて述べてみることにしたい.
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