Japanese
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特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅰ.脳卒中の病態生理と一般治療学
脳卒中に対する外科手術とその適応
Surgical Treatment of Hypertensive Intracerebral Hemorrhage.
藤津 和彦
1
,
桑原 武夫
1
Kazuhiko Fujitsu
1
,
Takeo Kuwabara
1
1横浜市立大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Yokohama City University, School of Medicine.
キーワード:
被殻出血
,
機能予後
,
ADL
,
標準失語症検査
Keyword:
被殻出血
,
機能予後
,
ADL
,
標準失語症検査
pp.43-54
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104674
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はじめに
脳卒中の外科療法における最近の進歩は著しく,出血性病変(くも膜下出血,高血圧性脳出血など)の外科療法はもちろん,虚血性病変に対しても内頸動脈血栓内膜切除術や頭蓋外-頭蓋内血管吻合術などが試みられている.虚血性病変に対する手術適応はまだ充分に明確とはいえないが,脳卒中の代表的疾患である高血圧性脳出血に対する外科療法の適応はほぼ明らかにされ,治療成績は大いに向上してきている.これは近年における顕微鏡手術などの手術手技の進歩,CTによる精密な部位,進展方向の診断,重症度別の保存療法と外科療法の治療成績の比較検討などによるところが大きい.
高血圧性脳出血には周知のごとく好発部位があり,その部位別頻度は,臨床診断による報告や剖検に基づく報告などにより多少の差はあるが,大略,被殼出血30~44%,視床出血13~38%,皮質下出血10~25%,小脳・橋出血18~22%とされる1,13).このうち,被殼出血,皮質下出血,小脳出血が手術適応となりうるが,ここでは前述の部位のうちで最も代表的な出血部位であり,また,外科治療の対象となる機会も多い被殻出血について詳述する.
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