Japanese
English
特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅰ.脳卒中の病態生理と一般治療学
脳卒中に対する薬物療法とその効果
Clinical Efficacy of Drug Treatment in Cerebrovascular Diseases.
古橋 紀久
1
,
田崎 義昭
1
Norihisa Furuhashi
1
,
Yoshiaki Tazaki
1
1北里大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Kitasato University.
キーワード:
脳卒中
,
薬物療法
,
薬効
Keyword:
脳卒中
,
薬物療法
,
薬効
pp.33-41
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104673
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
脳卒中の治療には多くの薬剤が取り上げられ検討されてきたし,今日もなお新しい薬剤が開発されつつある.しかし,脳卒中自身が自然治癒傾向が強いこともあって,ほとんどの薬剤がその有効性に関して断定的なことが言えない.このような現状を鑑みて,一方では病型・病態により手術療法も積極的に押し進められているが,多くの問題点があり,ことに閉塞性脳血管障害に対する手術療法はまだ試験的段階である.したがって,薬物療法は今もって脳卒中治療の主要な部分を占めている.
最近,薬効の判定に二重盲検法がとり入れられ,より客観的に評価されるようになった.しかし,その結果による有用性の解釈は慎重でなければならない.すなわち,有効とされた薬剤は種々の症状についての有効性と安全性とを考慮した評価であり,全ての患者に有用であることを保証している訳ではない.また,無効とされた薬剤でも全ての場合に無効という訳ではなく,患者によっては確かに有効であったとの印象を受ける場合も,日常少なからず経験するところである.ここでは現在,臨床的に広く使用されているものを中心に取り上げ,それらの現時点での薬効評価の概要を述べてみたい.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.