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増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅱ 脳卒中,その他の脳疾患
12.脳卒中患者の機能予後
Prediction of function after stroke.
小林 一成
1
Kazushige Kobayashi
1
1東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
脳卒中
,
機能予後
,
予測因子
Keyword:
脳卒中
,
機能予後
,
予測因子
pp.499-503
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102480
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脳卒中による脳の障害はその部位および程度がさまざまであり,一概にその機能予後を論じることは難しい1).しかし今日,リハビリテーションを必要とする障害の原因のなかで,最も重要な疾患である点について異論はないと思われる.脳の損傷により種々の機能障害が生じ,さらにそれは生活上のさまざまな活動制限をもたらす.リハビリテーションの治療目標は,廃用症候群などの二次的障害を予防しながら,可能な限り残存障害を軽減し,さらにできれば神経機能の回復を促し,次いでできる限り高いレベルの活動能力を再獲得することにある.個々の症例の障害は種類も重症度も多岐にわたり,また背景因子も異なることから,正確にその機能予後を予測することは困難であり,実際には経過をみながら最終到達点を判断することが多い.しかしその際に,少しでも予後予測に役立つ情報があれば,より質の高いリハビリテーションが可能になると考えられる.本稿では脳卒中発症後の機能予後について,上肢機能,下肢機能,失語症,歩行機能,日常生活動作(activities of daily living;ADL)能力の観点から紹介する.
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