書評
日本版デンバー式発達スクリーニング検査―JDDSTとJPDQ― W.K. Frankenburg原著 上田礼子著 東京大学保健学科
千野 直一
1
1慶応大学医学部リハビリテーション科
pp.878
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104642
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このたび上田礼子博士による日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST)が完成し,小児発達に関する検査書としてまとめられた.著者の上田先生は東京大学保健学科で長年にわたり小児の成長発達を研究され本書を完成するにいたった.
本書は「デンバー式」とあるためややもすると訳本とまちがえられそうであるが,実際には,Frankenburg博士が米国デンバー市で1,036名の小児の正常発達を調査したデータをもとに上田先生が日本の東京,沖縄,岩手の2,513名の子供を対象にして都会性,気候性因子による正常発達のちがいなどについての研究調査をまとめられた原著である.このことは研究対象数,調査法などよりなる本書の第一部「マニュアル」につづく第2部の「日本版の標準化」をよむことによって理解される.また,第3部の「プレスクリーニソグ用質問」は,JDDSTをより実用的に簡便にしたものである.
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