書評
目でみる脳卒中リハビリテーション 上田 敏著 東京大学医学部付属病院 リハビリテーション部
三島 博信
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
pp.888
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104645
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前著「目でみるリハビリテーション医学」は文字通り洛陽の紙価を高めた労作であり,リハ医学の紹介と普及に大きく貢献している.本書はその各論版である.このような図表や絵で視覚に訴える試みでは優れた平衡感覚と歯切れの良さが身上となる.それには,豊富な臨床体験を必要とする.このシリーズの魅力は優れた理論家であり,同時に行動的な実践家でもある著者ならではのものであろう.また,前著から本著までの10年間の変化は著者自身の体験の深まりを示すものであり,わが国における脳卒中のリハビリテーション医学の前進の軌跡でもあるといっても過言ではあるまい.
障害の概念やリハ診断学の体系化は簡明であり見事である.また,痙性と筋緊張異常の時間的変化の図式は問題を提起したものといえよう.そして,12グレード片麻痺機能テストとその標準化は著者らの労作である.
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