書評
(リハビリテーション医学講座・第1巻)リハビリテーション医学概論 岩倉博光著 帝京大学医学部リハビリテーション部
今村 哲夫
1
1東京都心身障害者福祉センター
pp.866
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104639
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本邦における教科書として,リハビリテーション医学の対象となる疾患をこれほど明確にしている書は前に例をみないと思われる.「主に概括」と前おきしながらも,その対象を運動障害にしぼってゆく著者の思慮がうかがわれる.この明確化が,リハビリテーション医学の技法と考えられる多岐にわたる接近法について,次章に述べられている評価法と,さらにアプローチ手段に関する章において,豊富に記述されている事柄についての導入となっている.
評価の章では,多種のまた多くの分野にわたる評価法をわかりやすく紹介している.それは心理学的評価におよび,従前はそれ程触れられてはいなかったけれども,リハビリテーションに重要な意味をもつと考えられる適応能力の評価にまで及ぶのである.アプローチの章においても,多角的な接近法について手を抜かずに紹介しているのは読者にとって大変親切である.
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