―上田 敏 千野直一 岩倉博光 編集―リハビリテーション基礎医学

　上田・千野・岩倉編「リハビリテーション基礎医学（医学書院，1983）」が出版された．この本の意図は上田氏の「リハビリテーション医学は臨床医学の新しい1分野であるが，すべての臨床医学分野と同様にその学問的基盤は基礎医学的研究によって支えられている」という言葉に代表されている．基礎医学として運動学，機能回復の生理学，運動治療学の必要性が強調されている．また「リハビリテーション医学は全人間的復権のための医学であるというその本質からして，人間的で包括的・総合的であり……それを裏付ける科学・技術の体系としてのリハビリテーション医学は，冷静な分析的な頭脳の産物でなければならない」と主張されている．