本の紹介
「リハビリテーションケーススタディ(45例のPO研修)」―岩倉博光編
浅海 奈津美
1
1東京都養育院付属病院
pp.390
発行日 1982年6月15日
Published Date 1982/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102647
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本書は脳卒中を初めとして,脊損・切断・末梢神経損傷・RAなどのリハビリテーション医療における代表的な疾患45症例について,リハビリテーション担当医29名が治療経過をまとめたものである.表題にPO研修とあるように,全編が,患者の抱える問題点を各リハビリスタッフからの情報をもとにいかに正確にとらえ,誰がどの時期にどのようにそれを解決していったかに主眼をおいて整理され書かれている.
日頃我々が接する患者は,たとえ身体に機能障害をもつ者であっても,心理・社会的側面でも多くの問題点をあわせ持っている.しかし日常の臨床場面では,治療者がそれぞれに自分の関心領域の範囲内でのみ患者の障害を追いかけ,他の面での患者のニードにともすると無配慮になりがちで,リハビリ部門全体としての統合性をもたない各自バラバラのサービスの提供に終始してしまうという危険に陥り易い.
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