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特集 脳性麻痺の在宅リハビリテーション
学齢期の重度・重複障害児に対するリハビリテーション:在宅訪問指導から通級指導へ
Educational Rehabilitation for the Severely and Profoundly Handicapped Children: Approach for Attending School.
佐鹿 博信
1
,
大川 嗣雄
1
Hironobu Sashika
1
,
Tsugio Ohkawa
1
1横浜市立大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Yokohama City University, School of Medicine.
キーワード:
重度・重複障害児
,
学校教育
Keyword:
重度・重複障害児
,
学校教育
pp.861-866
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104638
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はじめに
学齢期の障害児に対する学校教育は,普通学級・特殊学級・養護学校または在宅訪問指導のいずれかで行われている.リハビリテーションの視点からは,障害児教育は普通学級において一般児童と一緒に実施していくことが望ましいことはいうまでもない(統合教育,mainstreaming).もちろん,教育的mainstreamingのためには,通学バスなどの通学手段の整備・学校施設の改善・教育内容および技術の検討・学校での児童のケアー(母親の付き添いをなくすこと)・医学的リハビリテーションを含む医療との連携など解決すべき課題が多い.
重度・重複障害児教育の場合,統合教育を中心とした教育的mainstreamingは現状では非現実的である.しかし,在宅訪問指導から通級による集団指導へと広義の教育的mainstreamingを進めることが大切であり,このことが,地域・社会での重度・重複障害児のケアーの充実を促し,全体として地域社会における重度・重複障害児のリハビリテーションを推進するカギとなると思われる.
横浜市においては,学齢期の重度・重複障害児に対する教育的措置として,昭和44年度より在宅訪問教育制度が実施され,さらに,表1のような経過で昭和47年度からは通級による集団指導教育が整えられてきている1).この通級指導を中心とした横浜市の重度・重複障害児教育に対して,われわれは医学的リハビリテーションの立場から協力・援助してきた.そして,今回,その中で最も歴史が古く,かつ中心的な学級であるN分教室の在籍児童を対象として,学校ケースワーカーの協力を求め,通級集団指導をすすめるうえでの問題点を調査検討した.
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