とびら
重度・重複障害児に希望を
大内 二男
1
1神奈川県立ゆうかり園
pp.67
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102788
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職業がら障害児に関する記事はどうしても他のものより興味を持って読む.それが明るい話題であれば気持の良いものである.朝日新聞の天声人語欄に福島県立須賀川養護学校「わかくさ学級」のことが紹介されているのを読んで深く感銘した.教育の可能性なしとされていた両眼球形成不全症,難聴,脳性麻痺で,話せず歩けない子どもに一人の教師がその子のベッドの側で毎日手をとって自分の頬にあて名前を呼びつづける.無反応だった子どもが3ヵ月後には笑うようになった.その後鈴を鳴らして寝返りを教え,7年後にはブランコにのって楽しめるようになったということである.教師は「重い障害をもっている子は一般の子とは比べものにならないほど深いところに,その力をしまいこんでいる.子どもたちは話すことができない.口や思うように動かせない身体で何かを訴え,何かを望んでいる」のだといっている.
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