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特集 脳性麻痺の臨床とリハビリテーション
学齢期脳性麻痺児に対する学校教育の諸問題―肢体不自由児養護学校および普通学校について
Educational Problems and Management of Rehabilitation for Cerebral Palsy.
足立 徹也
1
,
佐鹿 博信
1
,
大川 嗣雄
1
Tetsuya Adachi
1
,
Hironobu Sashika
1
,
Tsugio Ohkawa
1
1横浜市立大学病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City Univesity Hospital.
キーワード:
肢体不自由児養護学校
,
普通学校
,
医学的リハビリテーション
Keyword:
肢体不自由児養護学校
,
普通学校
,
医学的リハビリテーション
pp.185-190
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105126
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はじめに
近年,脳性麻痺児に対する超早期~早期治療の概念が普及し,それらの治療が肢体不自由児施設,小規模通園施設,および一部の大学病院などで実施されてきている.また,肢体不自由児の学校教育については,学校施設の面でも,また養護学校の整備の面でも充実されてきている.そしてそれに伴い養護学校における重度重複障害児の増加が顕著となってきており,また,普通学校においても以前に比して,より高度の精神・運動機能障害を持った児童が就学するようになっている.
このような状況の中で,教育に関する専門職の養成制度の不備や,普通学校での児童の障害評価の不十分さ,教師への医学的指導など未解決の問題が山積しており,障害児の学校生活の質の向上をはかる観点からの対策が求められている.
我々は昭和49年より,横浜市教育委員会からの要請により横浜市立の単独養護学校に,指導医という形で関わってきた.また同時に,横浜市教育委員会による,肢体不自由児の就学指導に携わってきており,養護学校における脳性麻痺児教育の問題点とともに,普通学校における脳性麻痺児教育についても深い関心をはらってきた.
今回,それらの現状を明らかにするために上菅田養護学校および横浜市内の普通学校に在籍する脳性麻痺児の諸能力の調査を行い,学齢期脳性麻痺児に対する学校教育について検討したので報告する.
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