Japanese
English
研究と報告
3歳の外傷性頸髄損傷の経験
A Case Report of Traumatic Cervical Cord Injury in Child.
吉村 理
1
,
長尾 竜郎
1
,
米倉 豊子
1
,
橋元 隆
1
Osamu Yoshimura
1
,
Tatsuro Nagao
1
,
Toyoko Yonekura
1
,
Takashi Hashimoto
1
1九州労災病院リハビリテーション診療科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kyushu Rosai Hospital.
キーワード:
小児
,
頸損
Keyword:
小児
,
頸損
pp.393-397
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104544
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Burke1)は1971年,小児の外傷性脊髄損傷は,靱帯・椎間仮・軟部組織の豊富な弾力性,脊髄と脊椎管の余裕により,その発生は非常にまれであり,また,もしおこったとしても脱臼・骨折が明らかでないことが特徴的であるとした.1958年より1968年までの10年間に780例の脊髄損傷を経験し,このうち16歳以下の小児脊髄損傷は60例である.60例の小児脊髄損傷のうち外傷によるものは,21例であり,原因は,交通事故・出産麻痺・銃創・スポーツである.このうち外傷性頸髄損傷の報告は1例のみであり,文献的に外国(表1)においても,本邦2-8)においても,小児の外傷性頸髄損傷の報告は少ない.
九州労災病院において,昭和23年より800例をこえる脊髄損傷を経験したが,大多数は成人である.最近われわれは,転落事故による3歳の外傷性頸髄損傷を経験したので,症例の紹介,リハビリテーションの経過とともに考察を加えて報告する.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.