Japanese
English
研究と報告
脊髄誘発電位に関する実験的研究1)―低血圧およびischemiaの影響
Spinal Evoked Potentials in the Cat: Effects of Low Blood Pressure and Ischemia.
山口 昌夫
1
,
立野 勝彦
1
,
山崎 安朗
2
,
Gregory Nishimoto,M.S.
3
Masao Yamaguchi
1
,
Katsuhiko Tachino
1
,
Yasuaki Yamazaki
2
1金沢大学医療技術短期大学部
2金沢医科大学整形外科学教室
3Rehabilitation Engineering Center, Rancho Los Amigos Hospital.
1School of Allied Health Professions, Kanazawa University.
2Department of Orthopedic Surgery, Kanazawa Medical University.
キーワード:
脊髄誘発電位
,
Ischemia
Keyword:
脊髄誘発電位
,
Ischemia
pp.385-391
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104543
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緒言
近年,脊髄機能の検査として脊髄誘発電位の実用性が認められつつあるが,電位の波形の意味づけおよび障害との関係について解明すべき問題も多い.
脊髄損傷をはじめ脊髄の機能障害を惹起する要因の一つに脊髄のanoxiaが考えられ,Gelfan and Tarlov6)のanoxiaについての脊髄誘発電位を指標とした研究以来,acute anoxia1,3,15),あるいはcompression等の実験的脊髄損傷時におけるanoxiaまたはischemiaに関連した報告は数多くみられる.しかし種々の程度の脊髄のischemiaにおける研究はKobrine10)の報告をみるのみであり,この電位の変化は脊髄損傷に関与するischemiaの役割を知る上で重要なことと思われる.
一方脊椎,脊髄の手術中あるいは脊髄損傷の初期に脊髄機能のmonitoringとして脊髄誘発電位を利用する場合,血圧の低下,ひいては脊髄のischemiaの状態における電位の変化を無視することができない.
著者らはネコの血圧を種々の段階に下げて,低血圧,更にはischemic anoxiaの状態における脊髄誘発電位(坐骨神経刺激,脊椎棘突起導出)を記録し,その電位の変化を分析した.
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