Japanese
English
特集 失調症
失調症の作業療法
Occupational Therapy of Ataxia.
吉田 隆幸
1
,
長尾 竜郎
1
,
米倉 豊子
1
Takayuki Yoshida
1
,
Tatsuro Nagao
1
,
Toyoko Yonekura
1
1九州労災病院リハビリテーション診療科
1Kyushyu Rosai Hospital.
キーワード:
運動失調
,
評価
,
治療プログラム
,
治療の実際
Keyword:
運動失調
,
評価
,
治療プログラム
,
治療の実際
pp.116-122
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104271
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はじめに
運動失調は,変性,代謝異常,中毒,感染,腫瘍,脱髄,血管障害など,多彩な疾患を原因として引き起こされ,障害部位別には,脊髄牲,小脳性,前庭性,大脳性に分けられる.しかし,運動機能障害の面からは,脊髄系失調,小脳系失調,前庭系失調,およびそれらの混合型に分類される.いずれも大きくは協調運動(Co-ordinated movement)の障害という言葉であらわされる.Garcinによれば「運動失調の第1は,随意運動がうまくでぎず,運動の方向・程度が変わってしまうものである(kinetic or dynamic ataxia).第2は,体位とか姿勢の障害で,それらを保持するのに必要な随意的な,あるいは反射的な筋の収縮がそこなわれている(static or postural ataxia)」と述べられており,動的なものと静的なものとに分類されている1).また,これらの障害をひきおこす原因によっては,非進行性で運動療法などによく反応し,代償能力の発達が期待できるものと,進行性でその能力維持が治療の主目的となるものがあり,後者の場合,特に総合的なリハビリテーション・サービスが必要である.なお,詳しくは成書にゆずり,ここでは,この障害に対し作業療法士として,どのように評価し,治療を進めてゆくかを筆者の経験と先人の研究とをもとにまとめてみたい.
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