Japanese
English
特集 地域リハビリテーション
老人家庭奉仕員の現状
Present Status of the Home Helper for the Aged.
大川 嗣雄
1
,
関谷 修
1
,
畠中 泰司
1
Tsugio Ohkawa
1
,
Osamu Sekiya
1
,
Yasushi Hatakenaka
1
1横浜市立大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University, School of Medicine.
キーワード:
在宅老人
,
介護
Keyword:
在宅老人
,
介護
pp.363-368
発行日 1980年5月10日
Published Date 1980/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104317
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はじめに
近年,リハビリテーションの分野で,地域におけるリハビリテーションのあり方が論じられる機会が多くなった.しかし,地域のリハビリテーションにおけるゴールともいうべき,在宅障害者の家庭での問題についてふれられることが少ないようである.
在宅障害者の家庭における問題は,障害の程度,種類により様々であるが,何等かの形での助けが必要な点に要約されよう.この手助け,すなわち援助を分けて考えると,物的な面と,人的な面に分けることが出来る.このうち,人的な面について考えると,障害者の健康を守る立場の医療から,リハ医療に至る広い幅を持った人的な構成が必要であり,さらに,障害者の社会的活動まで考えると,より多くの人的な資源が必要になって来る.しかし,在宅障害者の基本的生活を考えた時に,最も重要なことは,障害者の日常生活を円滑に行えるようにするための援助であろう.
この点については,家庭という単位の中で,家族によって人的な援助が行われており,またそのような状況があるべき姿であろう.これに対して,家族の援助が得られない在宅障害者への福祉サービスの一環として,家庭奉仕員制度が発足し,かなりの年月が経過した.リハビリテーションの立場からみると,この家庭奉仕員の果たす役割の中でも,障害者の基本的な日常生活の援助について,期待も大きい.そこで,地域のリハビリテーションという観点から,家庭奉仕員のうち,老人家庭奉仕員の現状と,リハビリテーションとの係り合いについて,神奈川県における状況を中心にのべる.
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