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はじめに
1958年,フランスのBerlemont1)によって術直後義肢装着法が試みられ,術後の断端の管理方法に画期的な進歩が認められた.この方法は,その後ポーランドのWeissによって第6回国際義肢学会で紹介され2),全世界の注目の的になった.以来,米国ではBurgess3),英国ではVitali4),本邦においては松本5),武智2),沢村6),大川7)らによる報告があり,その利点と問題点が検討されてきた.この結果,下腿切断の成績が向上し,本法の利点が強調される反面,特に老人の血管原性切断に対する早期体重負荷の問題点も認識され8),このような対象に対しては本法を中止したり,rigid dressingのみにとどめるとの意見も出てきた9,10).
以上の歴史を踏まえ,術直後義肢装着法の利点をさらに強化するとともに,その弱点を補強した切断後の管理法として,英国のBiomechanical Research & Development Unit,Roehampton(BRADU)でControlled Environment Treatment(CET)が開発された11~13).CETはCape社(英国)によって商品化されているが,学術的には,1974年に開催された第1回ISPO世界会議(モントルー),1976年に開催された第7回物理医学リハビリテーション国際学会(リオデジャネイロ)において,Redhead,Burgessらによって紹介され,参加者の注目を集めた.
われわれは1977年10月より,日本メディコ社の協力で“Sterishield―CET MKⅡ―”(図1)を使用する機会を得た.今回は使用期間が短く,症例数も11名と少ないが,術直後義肢装着法と比較して優れた点が多く,極めて有用な方法と思われた.
そこで,ここではCETシステムを紹介するとともに,われわれの臨床経験について若干の考察を加えて報告する.
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