Letter from Abroad 海外で活躍する日本の検査技師
設備より技術のワクチン造り—スリランカ3
安食 愛彦
1
1Medical Research Institute (MRI)
pp.1226-1227
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204302
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■TABセクションの仕事
私の配属先だったMedical Research Institute(MRI)は17のデパートメントをもち,一つのデパートメントがいくつかのセクションに分かれているというシステムでした.私が所属していたのはその中の一つ,ワクチン・デパートメントのTABセクションと呼ばれているところでした.
さて,このTABセクションなるもの,いったい何をするところなのか,おわかりでしょうか.まずTABの意味ですが,これはSalmonella typhi,S. paratyphi-AおよびS. Paratyphi-Bの各一文字ずつを組み合わせたもので,腸チフス・パラチフス予防のための混合死菌ワクチンを造っているところなのです.以前は文字どおりの3種類の混合菌ワクチンを造っていたようですが,そのときは実情に合致したものということでS. typhiとS. paratyphi-Aの混合ワクチンを造っていました.また,ここではコレラのワクチンも造っていて,こちらはエルトール小川型と稲葉型の混合ワクチンでした.
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