Japanese
English
特集 体幹機能の評価と訓練
評価と訓練―運動失調
Evaluation and therapeutic exercise of ataxia.
小林 宏高
1
,
伊藤 良介
1
,
安藤 徳彦
2
Hirotaka Kobayashi
1
,
Ryousuke Itoh
1
,
Norihiko Ando
2
1神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション科
2横浜市立大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitaion Medicine, Kanagawa Rehabilitation Hospital
2Department of Rehabilitaion Medicine, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
運動失調
,
姿勢保持
,
歩行
,
評価
,
訓練
Keyword:
運動失調
,
姿勢保持
,
歩行
,
評価
,
訓練
pp.607-613
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109803
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はじめに
随意運動の協調が障害された状態は,一般に運動失調と呼ばれており,小脳の障害または小脳に至る神経経路の障害によって起こる.そして,その病態から,(1)脊髄癆性運動失調(後索性運動失調),(2)前庭・迷路性運動失調,(3)小脳性運動失調,(4)その他(前頭葉性運動失調,視床性運動失調など)に分類することができる1).また,Garcin2)は運動失調を次のように定義している.「運動失調とは,協調運動障害であって,その第一は随意運動の広がりの変化であり,第二に姿勢や平衡を保持する随意運動や筋収縮の障害である.」
体幹の運動失調を考えるとき,体幹と下肢の機能を厳密に分けて記述することは困難であり,本稿では体幹の運動失調を,下肢および体幹の機能を含めた姿勢制御の障害,および歩行の障害として捉え,小脳を中心とした姿勢制御・歩行の神経機構,評価,訓練について述べたい.
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