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はじめに
排尿障害は,リハビリテーション(以下,リハビリと略す)上の大きな問題点の1つであり,排尿障害者のリハビリを最終的に成功させるものは,その排尿調節であるといっても過言でばなく,事実排尿管理がうまくいかないために,社会復帰ができない患者が多い.
排尿管理のリハビリ上の重要性は,大別して2つに分けられる.まず第1には,生命を脅かす慢性尿路感染,結石,水腎症などから腎不全になることを防ぐことであり,第2には,尿失禁,頻尿などの排尿障害による社会復帰への障害を少なくすることである.
排尿障害者の排尿管理法としては,従来,パルーンカテーテル法,腹圧手圧法,反射性排尿法や,英国のGuttmannによる無菌的間歇導尿法が用いられている.しかしながら,最近,米国のLapidesらにより始められた,排尿障害者自身による清浄自己導尿法(Clean Self Catheterization)は,尿路感染,頻尿,残尿などに対し,著明な臨床効果をあげていることから,その簡便さとあいまって,排尿障害者に対する尿路管理法として脚光をあびている.
清浄自己導尿法は,わが国には,千野らにより紹介され,自己導尿に用いる器具と手技,それに有効性が報告され1),さらに,千野らは,自己導尿法の応用として,患者の可能な自排尿状態,残尿量,尿路感染,失禁の状態などにより,1日に行う自己導尿の回数を個々の患者の状態に応じて変更し,より効果的な排尿管埋を行った2).
今回,われわれは,さらに症例をかさね,施行開始から3年を経たので,医者も含め,パラメディカルの本自己導尿法に対する評価も調査し,その有効性をたしかめたので,若干の考察を加えて報告する.
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