Japanese
English
紹介
うちわ歩行に対するトルクヒールの使用経験
Torqheel for Toe-in Gait in Children.
渡辺 英夫
1
,
尾方 克巳
1
,
岡部 とし子
1
,
天野 敏夫
1
Hideo Watanabe
1
,
Katsumi Ogata
1
,
Toshiko Okate
1
,
Toshio Amano
1
1熊本大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery. Kumamote University Medical School.
キーワード:
うちわ歩行
,
トルクヒール
Keyword:
うちわ歩行
,
トルクヒール
pp.285-290
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103969
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はじめに
進行方向に対して足尖が内側を向くtoe-in gait,すなわち「うちわ歩行」は幼少児によくみられる異常歩容の1つであり,その非観血的治療は一般に困難なことが多い.
このうちわ歩行の原因部位としては,(1)股・膝・足関節部の軟部組織の拘縮,(2)股関節内旋筋の痙縮,(3)大腿骨頭部前捻角の増加,(4)膝関節内旋,(5)下腿骨内捻,(6)距腿関節内転,(7)距骨頸部の内転,(8)前足部の内転,(9)歩行時のみに見られるfunctional adductusなどが考えられる.
またこのようなうちわ歩行を来たす疾患としては,脳性麻痺,先天性内反足,二分脊椎,内・外反膝,脛骨内反症,先天股脱の不適切な治療後,脳卒中などによる片麻痺,変形性膝関節症,その他の多採な疾患が含まれる.
うちわ歩行矯正のための装具としては,従来より種々のものが用いられているが,その主なものはcable twister,clastic band twister,Denis-Browne splint,履物に対するくさび,などであり,さらにわれわれの実験ではらせん式短下肢装具も矯正効果がある(図1).しかし,これらの装具は外見,重さ,装着感,ADLの難易,耐久性,効果度などの点で一長一短であり,概して不満足なものが多いようである.
今回,われわれはトルクヒールをこの目的のために使用してみたので,その結果についてのべる.
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