Japanese
English
研究と報告
振動障害患者の末梢神経障害―上肢神経伝導検査の経時的変化
Peripheral Nerve Lesion in the Vibration Disease Patients: Serial Nerve Conduction Studies of the Upper Extremities.
椿原 彰夫
1
,
木村 彰男
1
,
千野 直一
1
,
浅葉 義一
2
Akio Tsubahara
1
,
Akio Kimura
1
,
Naoichi Chino
1
,
Giichi Asaba
2
1慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
2国立塩原温泉病院
1Division of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine.
2National Shiobara Spa Hospital.
キーワード:
振動障害
,
末梢神経障害
Keyword:
振動障害
,
末梢神経障害
pp.763-770
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104802
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はじめに
振動工具の使用により生ずる障害に関しては,1911年のLorigaによる報告1)以来,多くの研究がなされている.今日ではその病態は,末梢循環障害のみならず,末梢神経系,中枢神経系,自律神経系,筋骨格系,内分泌系にも及び,全身性の疾患と考えられている2~9).その一つである末梢神経系の障害については,栄養血管の貧血・低酸素状態による神経障害,頸部脊椎症による神経根障害,遅発性尺骨神経麻痺・手根管症候群を含む種々のentrapment neuropathyなどがその原因と言われている10,11).これら末梢神経障害の検査として電気生理学的に検討した報告10,12~19)はいくつか見られるが,特に神経伝導検査を経時的に施行してその変化の有無を検討した報告は少ない.
今回われわれは,温熱療法などの治療目的で国立塩原温泉病院に入院した振動障害(Vibration Disease)患者の入退院時に上肢神経伝導検査を行い,末梢潜時(Distal Latency Time),神経伝導速度(Nerve Conduction Velosity),振幅(Amplitude)などについて検討した.
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