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特集 リハビリテーション医学の基礎―正常生理と病態生理
リハビリテーション医学の中の基礎学
Editorial.
土屋 弘吉
1
Kokichi Tsuchiya
1
1横浜市立大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Yokohama City University, School of Medicine.
pp.869-870
発行日 1977年12月10日
Published Date 1977/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103882
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- Abstract 文献概要
リハビリテーション医学は,機能回復の医学と社会復帰の医学との合体したものであると考えると,主として治療医学の後半から社会復帰までの期間を担当することになり,疾患の本態や病態生理,治療の主体的部分を離れて,むしろ訓練の手段や社会への適応の問題に目が向けられ勝ちである.従ってリハビリテーション医は,整形外科医や内科医や神経科医との協力の下に,その治療手段を進めると共に,PT,OT,STらと協力して訓練の適応を決め,その効果を判定していかなければならない.さらに職業的な問題,社会的な問題に至っては,職業相談員やMSWの担当事項ではあるが,リハビリテーション医としても充分な理解をもっていなければならない.このように考えるとリハビリテーション医学はかなり社会的な方向を包含した応用医学の一部門のようである.
しかしながら,かつて杉山尚教授が第10回リハビリテーション医学会長を勤められたときに,リハビリテーションが若い医学徒を牽きつける魅力に欠けている大きな理由の1つは,独自の研究分野が少ないことであるということを指摘し,今後大学の独立の講座として自立するためには,リハビリテーション固有の研究が大いに発展しなければいけない,という意味のことを述べられたように記億している.この御意見は当時まことに正鵠を得たものとして,私も深く印象づけられた.
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