Japanese
English
研究と報告
重篤な四肢麻痺をきたしたボンド中毒の一例
Severe Polyneuropathy induced by Glue-Sniffing.
土肥 信之
1
,
森田 能子
1
,
明石 謙
1
Nobuyuki Dohi
1
,
Yoshiko Morita
1
,
Ken Akashi
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
1Dept. of Rehabilitation, Kawasaki Medical College.
キーワード:
四肢麻痺
,
有機溶済
,
ノルマルヘキセン
,
多発性神経炎
Keyword:
四肢麻痺
,
有機溶済
,
ノルマルヘキセン
,
多発性神経炎
pp.523-527
発行日 1977年7月10日
Published Date 1977/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103816
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緒言
近年,接着剤の吸入遊びが青少年の間で行なわれていて,種々の規制措置にもかかわらず,あいかわらずあとを絶たない.そもそも有機溶剤中毒は古くから知られており,第二次大戦以後,ビスコースレーヨン生産が開始されて以来,二硫化炭素による精神・神経障害,また,ビニール履物工場における慢性ベンゼン中毒による血液障害等があり,その害が報告され法的規制を受けるようになった.その対策としてさらに新しい代替溶剤(トルエンなど)が使用されはしめている.有機溶剤は現在石油化学工業より安価に提供されるようになり,塗料や接着剤等に利用され広く出まわっている.このような有機溶剤中毒の症状として神経症状を呈することが多いことは注目に値する1).最近,接着剤吸入による重篤な四肢麻痺例を経験したので報告する.
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