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装具
渡辺 英夫
1
1熊本大学医学部整形外科
pp.528-530
発行日 1977年7月10日
Published Date 1977/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103817
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装具学の進歩にともない,わが国でも装具の著書が最近増えはじめており喜ばしいことである.しかしわが国での装具の本は,義肢と一緒になった単行本が多く,頁数の制限もあるためか読者によっては内容が物足らなく感じられるのではなかろうか.またそれぞれの本で内容が重なっている部分が少なくないので,数多くの本を揃える必要はない.しかし,それぞれの本には多かれ少なかれ特徴があるので興味深い.とくに分担執筆のものでは,各著者がそれぞれ得意とする分野を担当しているので,頁数が少ない割には内容が手際よくまとまっているものが多い.
装具は義肢と異なり対象患者の種類が多数であり,それだけ装具の種類も多くなり,しかも装具の名称のなかには非理論的に名付けられたものが少なくないので,系統的な記述が一般的にいってやりにくい.さらに装具学の関連学科として,運動解剖学,生体力学,障害学,医用工学,材料工学,臨床心理学,理学療法学,作業療法学などがあり,これらの知識を適切に包含する理想的な装具の本の発刊は容易ではないと思われる.
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