Japanese
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特集 失行症・失認症
失行症・失認症の特性把握と治療的訓練
Clinical Assessment and Functional Training for Apraxic and Agnostic Patients.
鎌倉 矩子
1
Noriko Kamakura
1
1東京都老人総合研究所障害研究室
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology.
キーワード:
視覚失認
,
左視空間失認
,
ゲルストマン症候群
Keyword:
視覚失認
,
左視空間失認
,
ゲルストマン症候群
pp.911-922
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103430
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1958年にCaroll1)は,左片麻痺患者の視空間失認を指摘し,その終りの方でおよそ次のようなことを述べている.「これらの患者の再学習のパターンは,たいていの失認症患者や健常者のそれとは全く異なっている.彼らはほんとうに僅かのことしかおぼえず,しかも日毎に動揺する.2回正解を出したとて3回目もそうだとは期待できない.一定の成果をあげようとしたわれわれの試みは,全くがっかりする結果に終った.今の時点でわれわれにできたことは,事態を家族に理解させ,職業面の調整をはかることである」.
Carollのこの嘆きは,そのまま,約20年を距てた現代の私たちの嘆きでもある.しかしながら,失認症や失行症の患者の中には,忍耐強い訓練によって,一定の改善を得るケースがあるのも事実だといえよう.
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