書評
痴呆 Dementia―C.E. Wells著/池田久男・岡山大学助教授 訳
大友 英一
1
1浴風会病院内科
pp.823
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103232
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老年者を取扱うことの多いものにとって痴呆は老年者の特許のごとく考え易いが,いわゆる脳動脈硬化症を始め各種脳血管性障害,脳腫瘍以外の各種神経疾患にも痴呆が出現するという概念的なものを,代謝性疾患,感染性疾患を含めあらゆる脳疾患に屡々痴呆が出現するという現実的なものに認識を新たにさせてくれる良書である.
著者のDr. WellsはVanderbilt大学のPsychiatryおよびNeurologyのassociate Professorであり,彼の外に神経学,精神医学,脳外科学および病理学などの12名の専門家が分担して,痴呆の症状,神経学的検査,脳波,レントゲソ学的診断,さらに痴呆の病理,生化学的面などを詳細に述べている.
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