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ドイツ民主共和国(東独)におけるリハビリテーションの概要を記した153頁の小冊子である.本書は第1章Zum Begriff Rehabilitation,第2章Eingliederung leistungsgeminderter Kinder und Jugendlicher in Leben und Beruf,第3章Problemeder Rehabilitation Erwachsener,第4章Spezielle Rellabilitationsmaß-nahmen,第5章Zur Arbeit der Rehabilitationkommissionenからなり,これに附表と文献目録がついている.一読して各種の精細な統計が豊富にあげられていることにまず注目させられる.それにもとづいての諸施設の必要数および現状がのべられている.身障児の病床として人口100万人について60~90床,精神障害児に関しては同じく約300床が必要であろうとしている.各年齢階層の0.18~0.2%が身障児の特殊学級で教育されており,精薄児は全児童の約3.5%を占め,その中,3%は特殊なVolksbildungのシステムで教育がおこなわれ,0.5%はその教育も不可能であるという.医学的管理と結びついた職業への適応はgeschützte Werkstätteにおいて身障児があつかわれ,精薄児はその特殊型のVorbereitungswerkstätteであつかわれている.
成人のリハの対象者は大まかに人口の1~5%,または病院入院者の11~25%と考えられている.Krankengymnast(Physiotherapeut)の欠乏が著しいとのことで,その結果Berlin-Friedrichshainでなされた1000の理学治療の治療種目の分布ではPTのおこなう治療体操,歩行訓練,伸張,グループ体操,電気治療は約200で全体の1/5にすぎず,マッサージ師やBademeisterによるマッサージ,水治,温熱,光線療法が4/5を占めている.理学療法以外の治療項目とてしてArbeitstherapie,Sporttherapie等があげられているが,言語治療はあげられていない.このArbeitstherapie fnnktionelle A.T. ともよばれ,ほぼOTと同じものとみてよいようである.
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