Japanese
English
研究と報告
脳性麻痺児の運動機能と骨成熟度
Motor Function and Bone Maturation in Cerebral Palsied Children.
斎藤 宏
1
,
中村 隆一
1
,
森山 早苗
1
Hiroshi Saito
1
,
Ryuichi Nakamura
1
,
Sanae Moriyama
1
1東京都神経科学総合研究所リハビリテーション研究室
1Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Institute for Neurosciences.
キーワード:
脳性麻痺
,
運動年齢
,
骨年齢
,
運動発達
Keyword:
脳性麻痺
,
運動年齢
,
骨年齢
,
運動発達
pp.730-734
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103212
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はじめに
小児の身体発達は暦年齢(chronological age)に比例して変化するものであるが,個人の一時期における発達の程度を定量的に評価するために,暦年齢とは別の尺度として,生理的年齢(physiological age)を用いることがある.生理的年齢の指標の1つとして,発育期の骨格成熟度を測定する方法が,近年Greulich,Pyle(1950)らによっておこなわれ,こうして得た生理的年齢は骨年齢(bone age)と呼ばれている.また小児期の運動発達については,いわばその機能面での発達をみるもので,暦年齢に対応して運動発達の過程を評価するための指標が考えられ,これは運動年齢(motor age)と呼ばれている.この測定方法としてはGesell(1941)の発達基準,Johnson,Zuckら(1951)のmotor age test,あるいはJabsen,Taylorら(1969)の手の機能測定法などがある.
生理的な身体成長としての骨成熟度と精神発達の関連については古くから注目されており(Fuhry 1933,Hefkel940),山本(1962)らは精薄児の手根骨の成熟が正常児よりも遅れていることを報告している.また運動機能の発達と精神発達の関係についても多くの報告がある.深瀬(1968)らは脳性麻痺の痙直型で上肢の運動年齢と智能指数(IQ)との間に相関があることを報告している.
今回は脳性麻痺児について,身体の生理的発達として手の骨格成熟度と,機能面での発達として上肢の運動年齢とを測定し,暦年齢を含めた関係について検討した.
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