Japanese
English
研究と報告
髄損傷患者の暑季うつ熱障害に対する人工冷房の影響
Effect of air-conditioning on heat congestion in patients with spinal cord injury.
緒方 甫
1
,
浅山 滉
2
Hajime Ogata
1
,
Kō Asayama
2
1九州労災病院リハビリテーション診療科
2水俣市立病院附属湯之児病院リハビリテーション科
1Rehabilitation center, Kyushu Rosai Hospital
2Rehabilitation center, Minamata municipal Hospital.
キーワード:
脊髄損傷
,
体温調節
,
うつ熱
,
人工冷房
Keyword:
脊髄損傷
,
体温調節
,
うつ熱
,
人工冷房
pp.735-740
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103213
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緒言
著者はさきに脊髄損傷患者の盛夏季における放熱機転の消長をうかがおうとして,口腔温,皮膚温,呼吸数,脈拍数および発汗を観察し報告した.その成績によると損傷部位が高位である患者ほど症状が著しい.なお対暑反応としては呼吸数の増加と皮膚温の上昇傾向を呈し,発汗は損傷部位以下において,ほとんど無汗となる.しかし建常に残っている皮膚面からの蒸泄が代償性亢進を現わしているような症例には接しなかった1).
今回はこのような患者の暑季うつ熱症状に対して冷房がいかなる効果を呈するかを検討した.すなわち四肢麻痺(Quadriplegia)と対麻痺(Paraplegia)患者の2群について,病室内に盛夏季に冷房装置のなかった場合(昭和47年8月),冷房装置を設置した場合(昭和48年8月),さらに昭和48年5月の23~26℃の余り暑くない時期について,体温,基礎産熱量,摂食量,呼吸数および脈拍数などの消長から病室内冷房の影響を比較検討を加えたものである.
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