Japanese
English
論説
リハビリテーション行政批判(1)
A critical analyses of Japanese administrative rehabilitation.
鈴木 正里
1
Masari Suzuki
1
1大阪経済大学
1Osaka College of Economics
キーワード:
経済効率
,
人道
,
全人間的復権
,
福祉
Keyword:
経済効率
,
人道
,
全人間的復権
,
福祉
pp.65-70
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102853
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【抄録】リハビリテーションの目的は障害者が人間らしい生活をいとなめるようにしてやることであり,それが‘更生’なのであるが,人権思想の普及の結果,行政が自己の任務としてリハビリを引受けるようになるとこの‘更生’が労働力政策や財政政策として経済的効果をもちうることが重視され,このことが‘公共の福祉’への貢献としてリハビリの目的の中心に据えられるにいたった.そのため経済効率がリハビリを規制し本来の目的である福祉(人道性)は背後におしのけられるようになる.その一例がわが‘身体障害者福祉法’であって,この法律は事実上は働いて独力で生活費を稼ぎ進んでは納税者ともなれる者とそうでない者とを選別する役割を果しているが,その結果は軽障者の多くは苛酷な自活を強いられ重障者は親兄弟や親類縁者におしつけるかたちで遺棄されることになる.‘福祉法’が福祉に逆行する事態をもたらしているのである.
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