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Q1 パーキンソン病のリハビリテーションでは何をするのか?
パーキンソン病は中枢神経変性疾患であり,進行性である.臨床症状は振戦,固縮,無動,姿勢反射障害などの運動症状と自律神経症状,睡眠症状,精神症状などの非運動症状と多岐にわたる.また,病状の進行とともに小歩,すくみ足,前方突進などの歩行障害がみられ,症状が変動するwearing-off現象やon-off現象も出現し,薬物療法のみでは難しくなる時期が出現する.有病率は人口10万人あたり100~150人と言われ,パーキンソン病患者数は増加しているため,決して稀な疾患ではない.治療としては,薬物療法,リハビリテーション,深部電極刺激法などの外科的処置などがある.Montgomeryら1)は,パーキンソン病患者をランダムに生活指導や運動指導を行った群と対照群に分け,6か月間その効果についてアンケート調査を行っている.前者においては訓練時間の増加やoff時間の減少,生活の質(quality of life;QOL)評価改善を有意に認めており,L型dioxyphenylalanine(L-dopa)量の増加は認めなかったが,後者では有意に増加したと報告している.薬物療法とともにリハビリテーションや生活指導をはじめ教育的指導をあわせて行うことで,薬物療法の効果をより引き出すことができると推測される.
パーキンソン病おける問題点について表1に示した.進行性および症状が多岐にわたることに加え,経過が長いために加齢の影響を受けることを考慮しなくてはいけない.また,抗パーキンソン病薬を長期にわたり服用するために,この影響も受ける.これらのことを踏まえて,現在の症状のなかで何が最も問題となっているのかについて考えながら,訓練処方,生活指導を個別に行う必要がある.
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