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特集 パーキンソン病のリハビリテーション診療update
パーキンソン病のADL障害に対するリハビリテーション治療
Rehabilitation of Parkinson's Disease with Disability in Daily Life
中馬 孝容
1
Takayo Chuma
1
1滋賀県立総合病院リハビリテーション科
キーワード:
パーキンソン病
,
ADL障害
,
リハビリテーション治療
Keyword:
パーキンソン病
,
ADL障害
,
リハビリテーション治療
pp.592-598
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034060592
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内容のポイント Q&A
Q1 パーキンソン病によるADL障害の特徴は?
進行とともに姿勢が前方や側方に傾くことが増え,そのためにやりづらくなる動作が増える.また,手指巧緻性の低下により,薬をシートから取り出す,服を着る,ボタンをはめる,ズボンを履くといった日常生活動作で時間がかかるようになる.
また,空間認知機能の低下,注意機能障害,遂行機能障害を合併するようになり,以前は円滑にできていたことがうまくできなくなることも,ADL・IADL障害の一因となる.
Q2 リハビリテーション治療の目標は?
進行とともに,動作緩慢,姿勢反射障害が合併し,肩を大きく動かすこと,バランスをとりながら行う作業,手指巧緻性の低下がみられる.そのため,ADL,IADLを維持できるよう,環境調整を含めたリハビリテーション治療が必要となる.
Q3 リハビリテーション治療の実際と効果は?
アンケート調査にて,患者の普段から困っていること,また,リハビリテーション治療の効果について質問を行った.後者については,効果があると回答している者が多く,また,各々,日々の中で訓練を取り入れられるように工夫がなされているようであった.
Q4 治療効果を最大化するためのポイントは?
リハビリテーション治療においては学習効果をいかに高めるかということが大切である.視覚的な外発性刺激をうまく利用して,日常動作を円滑に行うことが重要である.たとえば,ドアの前に立つ際の足の位置がわかるように,床に印をつける等,最初の動作を誘導できるように印をつけることで,円滑に動作が開始できる.

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