Japanese
English
特集 各種神経疾患のリハビリテーション
パーキンソン病のリハビリテーション
Rehabilitation for Parkinson's Disease.
野手 とし子
1
Toshiko Note
1
1国立療養所東京病院
1National Sanatorium Tokyo Hospital.
キーワード:
パーキンソン病
,
リハビリテーション
Keyword:
パーキンソン病
,
リハビリテーション
pp.531-537
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105857
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はじめに
Parkinson病は,1817年,James Parkiusonにより初めて記載された慢性進行性の神経変性疾患である.中高齢者に発症し,有病率は人口10万あたり30~80人といわれ1),神経変性疾患の中では頻度の高い疾患の1つである.
1960年代に入ってのL-dopa療法は,当初,劇的な効果を示し,Parkinson病の治療は,L-dopa療法に終結されたかの様に考えられた.しかし,その後,L-dopaの長期使用に伴い,効果減弱,wearing-off現象,on-off現象,すくみ現象,不随意運動,精神症状などの種々の問題点が生じることが明らかになり2~4),薬物療法の面から,現在,いろいろな対策が試みられているが,まだ,決定的な解決策は見出されていない.
これまで,薬物療法の問題点への対策は,医師の薬物コントロールのみにゆだねられてきた観があるが,これらの問題点が患者の日常生活,社会生活,介護者の負担などに多大な影響を及ぽすことを考慮すると,リハビリテーションの立場からは,これらの問題点をParkinson病患者の新たな障害として捉えなおした上で,アプローチする必要があるのではないかと考える,現在,我々がみるParkinson病患者の病態,障害像は,薬物療法に修飾されたものであり,もはや,その影響を抜きにしては患者の全体像を捉えることができないことに留意すべきである.
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