Japanese
English
増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅴ 脳性麻痺,その他の小児疾患
37.精神発達
Mental development and clinical assessment.
半澤 直美
1
,
牛島 智子
1
Naomi Hanzawa
1
,
Tomoko Ushijima
1
1横浜市戸塚地域療育センター
1Totsuka Rehabilitation Center for Children
キーワード:
精神発達
,
精神遅滞
,
知的障害
,
発達障害
,
評価
Keyword:
精神発達
,
精神遅滞
,
知的障害
,
発達障害
,
評価
pp.643-647
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102511
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Q1 精神発達の問題を保護者とどのように共有したらよいか?
なかなか歩かない,麻痺があるなど,運動発達に問題のある子どもは,同時に精神発達に問題があることが多く,適切な時期に知的障害や発達障害の有無を評価して保護者と共有することが重要である.しかし保護者にとっては,精神発達は運動発達に比べて具体的に捉えることが困難であり,さらに発達初期の保護者の関心は運動面に偏るため,精神発達の問題に重心を移していくにはかなり配慮が必要となる.また,精神発達は一般に「個人差」として理解される範囲が広い傾向があり,家族が専門家に相談するタイミングを計りにくい障害でもある.
発達期の子どもでは,運動と精神の発達を完全に分けて考えることは不可能である.運動発達と精神発達はあらゆる点で相互に影響を与えあっているため,その両方を適切に評価しなければ,子どもを総合的に理解することはできない.ただ,精神発達自体は目に見えないものであるため,実際には「行動」や「言葉」として表れる様子の観察によって評価する.このため,運動が重度に制限されている児の場合は,専門家でも注意深い継続的な観察と,よく工夫された設定がなければ真の精神発達レベルの見極めは困難である.この点で,重い運動障害をもつ児の家族は,児の精神発達を実際以上に低く見積もるか,または逆に高く見積もってしまう.
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