特集 不定愁訴-漠然とした訴えにどう応えるか
不定愁訴と精神疾患、発達障害
岸本 真希子
1
,
引土 達雄
1国立成育医療研究センター こころの診療部乳幼児メンタルヘルス診療科
キーワード:
うつ病
,
注意欠如・多動症
,
強迫症
,
情動症状
,
発達障害
,
身体症状症および関連症
,
知的障害
,
自律神経失調症
,
自閉症スペクトラム障害
Keyword:
Attention Deficit Disorder with Hyperactivity
,
Developmental Disabilities
,
Intellectual Disability
,
Autism Spectrum Disorder
,
Obsessive-Compulsive Disorder
,
Depressive Disorder
,
Somatoform Disorders
,
Affective Symptoms
pp.740-745
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021231290
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<Key Points>(1)うつ病、不安障害、身体症状症などの精神疾患や発達障害では『情動的喚起』が生じることによって不定愁訴や機能性身体症につながりやすいため、くり返される不定愁訴において精神疾患や発達障害の評価や治療は重要である。(2)精神疾患や発達障害が背景にある不定愁訴に共通すると考えられる精神病理として『身体への注目』→『感覚に対する病気への帰属』→『病気への心配、過度な不安、憔悴』のループがある。(3)ループの悪循環が徐々に途絶えていくように、子どものモチベーションを尊重しながら、保護者、連携、子どもへのアプローチの3つの視点から介入に取り組む必要がある。
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