Japanese
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増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅴ 脳性麻痺,その他の小児疾患
38.発達障害
Developmental disabilities.
原 仁
1
Hitoshi Hara
1
1横浜市中部地域療育センター
1Yokohama Central Area Habilitation Center for Children
キーワード:
広汎性発達障害
,
注意欠陥多動性障害
,
学習障害
Keyword:
広汎性発達障害
,
注意欠陥多動性障害
,
学習障害
pp.648-651
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102513
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Q1 発達障害は医学の概念か?
1987年から1993年まで,米国精神医学会の診断基準第3版改訂(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 3rd Edition, Revised;DSM-Ⅲ-R)のなかに発達障害(developmental disorders)という第Ⅱ軸のカテゴリーがあった.ここで過去形である点に留意が必要である.つまり,現在の診断基準であるDSM-Ⅳ-TR(2000)にはこのカテゴリーは使用されていない.周知のように,DSMは多軸評定システムを採用しており,第Ⅰ軸は精神疾患の診断,第Ⅱ軸は人格障害の診断に分かれている.なお,第Ⅲ~Ⅴ軸の説明は省略する.
DSM-Ⅲ-Rの発達障害は,精神遅滞(現在の知的障害),広汎性発達障害(自閉症とその近縁の障害)および特異的発達障害(発達性言語障害,発達性協調運動障害,学習障害)から構成されていた.遅れの性状から,全般的で均一な遅れ,全般的で不均一な遅れ,そして特定領域のみの遅れと整理でき,階層的な障害理解が可能で,大変わかりやすい分類であった(図1).しかし,階層的分類は並列方式のWHOの疾病分類である国際疾病分類(International Classification of Diseases and related conditions;ICD)との整合性がとれないため,後のDSM-Ⅳ(1994)では,精神遅滞のみ第Ⅱ軸に残り,他の障害群は第Ⅰ軸に移行して並列方式となった.
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