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増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅴ 脳性麻痺,その他の小児疾患
33.脳性麻痺による四肢変形
Limb deformity in cerebral palsy.
芳賀 信彦
1
Nobuhiko Haga
1
1東京大学医学部附属病院リハビリテーション科・部
1Department of Rehabilitation Medicine, The University of Tokyo Hospital
キーワード:
脳性麻痺
,
変形
,
脱臼
Keyword:
脳性麻痺
,
変形
,
脱臼
pp.618-621
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102507
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Q1 四肢の変形をどのように評価するのか?
脳性麻痺では特徴的な四肢変形を示すことが多い.痙直型両麻痺の下肢では,股関節は屈曲・内転・内旋,膝関節は屈曲,足関節は内反尖足または外反扁平足となる.股関節が内転内旋している状態をはさみ肢位(scissoring posture),股関節と膝関節が屈曲している状態をかがみ肢位(crouching posture)と呼ぶ.痙直型四肢麻痺でも同様であるが,時に片側の股関節が内転内旋し,反対側が外転外旋することがあり,「風に吹かれた」ようにみえることからwindblown deformity(またはwindswept deformity)と呼ぶ(図1).この場合,内転内旋している側の,または両側の股関節が脱臼・亜脱臼していることが多い.上肢では,肩関節内旋,肘関節屈曲,前腕回内,手関節・手指屈曲,母指内転の変形が多い.
痙直型麻痺に伴う四肢変形は,筋の痙縮や固縮を基盤として生じる.痙縮や固縮により,関節可動域は制限され,やがて関節拘縮につながる.また股関節のような不安定な関節では,痙縮のために関節適合性が悪化し,亜脱臼や脱臼につながることがある.したがって,四肢の変形の評価には,痙縮や拘縮の評価,関節適合性の評価が含まれる.
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