連載 障害者にみられる足・趾の問題と対応
脳性麻痺の足部変形
町田 治郎
1
1神奈川県立こども医療センター整形外科
キーワード:
脳性麻痺
,
足部変形
,
腱延長
,
後内側解離術
Keyword:
脳性麻痺
,
足部変形
,
腱延長
,
後内側解離術
pp.281-283
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101730
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診 断
脳性麻痺による足部変形には,尖足,内反尖足,外反扁平足などがみられる.裸足歩行で踵が接地するかどうか,後足部の内外反,前足部の内転,外転の有無を観察する.
背臥位で足関節の可動域を調べるが,足関節の背屈では膝屈曲位と膝伸展位の角度を記録する.脳性麻痺による尖足では多関節筋である腓腹筋の緊張が強いため,膝伸展位での足関節の背屈が不良となる.股関節の外転,伸展制限,膝関節の伸展制限があるため,特に股関節を屈曲して膝を伸展させ,膝窩角(popiliteal angle)を計測する.また,腹臥位で足関節を中間位として,足部の内転,外転をみる.すなわち,大腿と足部の角度(thigh foot angle)を外向き,内向きの角度で記録する.足底の胼胝の有無もみる.
X線検査では,軽度外反矯正した足部正面像と,最大背屈および最大底屈位の足部側面像を撮影する.尖足変形があれば,膝伸展位での最大背屈位の足部側面像も撮影する.立位がとれれば立位での足部X線正面像と側面像,足関節正面像も撮影する.内反変形では足部X線正面像で,踵骨と距骨の重なりが強く見える.
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