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講座
リハビリテーションにおける治療(7)―片麻痺手指にたいする治療
Rehabilitation Treatment (7): Treatments for Hemiplegic Fingers.
福井 圀彦
1
Kunihiko Fukui
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院
1Kanagawa Rehabilitation Center, Nanasawa Hospital.
キーワード:
変形
,
機能
,
治療
Keyword:
変形
,
機能
,
治療
pp.547-552
発行日 1979年7月10日
Published Date 1979/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104190
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はじめに
片麻痺患者がもっとも悩むものの一つであり,また医療スタッフにとっても,治療に,「ムンテラ」に苦労するのが上肢(とくに手指)の機能である.患者は医師をはじめ,接するスタッフのすべてに手の回復予後に関する同じ質問を何度となく繰返し,その異なる答弁内容に疑惑を懐きながらも一喜一憂し,元通りに使える夢が消えたとき欝々とした状態に陥るものである.
手指機能については病巣部位と広がりによって定まる宿命的要素が大きいことは確かであるが,すくなくとも2次的障害は防ぎ得る性格のものであるし,神経生理学的見地からみれば,末梢における,ある操作が中枢性の運動制御機能をある程度左右しうるものと考えられるので,1次的障害部位の機能再編成,代償性機能の形成などにも影響を与えうるものと思われる.しかし,これらが十分立証される段階には残念ながら至っていない.
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