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Q1 リハビリテーション処方の目的は?
リハビリテーション処方の目的は大きく3つ考えられる.1つ目の目的は,リハビリテーション処方の最も重要な目的である「なぜその患者にリハビリテーションが必要か」という理由にも直結することで,「診断(問題点の抽出)と治療(リハビリテーション訓練)を結びつける」ということである.国際障害分類(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps;ICIDH)や国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)に基づくリハビリテーション診断については別稿で詳しく述べられているので割愛するが,診断により明らかになった障害に対し予後予測を行い,問題点を抽出し,リハビリテーション訓練を実施することにより何らかの効果が見込まれる場合にリハビリテーション処方はなされるべきである.ここで言う効果とは改善のみでなく悪化予防や機能・能力維持も含まれる.また介護家族の負担軽減も大切なリハビリテーション効果の1つである.予後予測が困難な場合には,数週単位のスパンで効果判定を行う「リハビリテーション・トライアル」を処方する場合もある.
2つ目の目的は,リハビリテーション訓練を実施するうえでのリスクを把握してセラピストに伝えることである.リスクは大きく分けて,①患者の状態悪化を避けるためのものと,②セラピストやリハビリテーション処方医の安全(感染症予防などの生命的な安全と,訴訟回避などの社会的な安全)にかかわるものに大別される.特に注意すべきリスクとその対応についてはQ5で解説する.
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