Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
アンナ・M・R・モーゼスの『自伝』―高齢者の創造性
高橋 正雄
1
1筑波大学人間系
pp.202
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102385
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通称グランドマア・モーゼスとして有名なアンナ・M・R・モーゼス(1860~1961)は75歳から絵筆を取りはじめて101歳で亡くなるまで1,500枚に及ぶ絵を描いたという異色の女性画家であり,高齢者の生き方や創造性を考えるうえでも興味深い存在である.
『モーゼスおばあさんの絵の世界―田園生活100年の自伝』(加藤恭子訳,未來社)によれば,モーゼスは1860年にニューヨーク州東部のグリニッジに農家の娘として生まれ,12歳の時からよその家に住み込みで15年間働いた後,27歳で夫トーマスと結婚した.結婚後の彼女は,10人の子どもを育てながら農婦としての忙しい日々を送っていた.
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