研究と報告
看護的理念の持ち主・トルストイ—『戦争と平和』と『アンナ・カレーニナ』より
高橋 正雄
1
1筑波大学心身障害学系
pp.1194-1197
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905736
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はじめに
『戦争と平和』(1865〜69)と『アンナ・カレーニナ』(1875〜77)は,トルストイの代表作としてのみならず,世界文学史上の傑作として高く評価されている.これらの作品には,数多くの人間が病み,死んでいく姿が描かれており,特に,『戦争と平和』のエピローグと『アンナ・カレーニナ』第V部には,それぞれ痴呆性老人や終末期の患者に対する,トルストイ一流の洞察がみられるため,看護学的にも,興味深い場面になっている.ここに,上記2つの場面について,痴呆性老人や終末期の患者への対応という観点から検討を加えてみる.
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