Japanese
English
特集 運動器の10年―成果と課題
リハビリテーション医学・医療の立場から
Bone and Joint Decades in rehabilitation medicine.
赤居 正美
1
Masami Akai
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院・研究所
1Rehabilitation Hospital, Research Institute, National Rehabilitation Center
キーワード:
超高齢社会
,
運動器疾患
,
移動障害
,
慢性疼痛
Keyword:
超高齢社会
,
運動器疾患
,
移動障害
,
慢性疼痛
pp.1033-1038
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102261
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
日本リハビリテーション医学会の取り組み
少子高齢化の渦中にあるわが国では,すでに高齢化率21%以上の超高齢社会に入り,国民の4人に1人が65歳を超える事態もすぐそばに迫っている.さらにその進行は2020年まで進み,最終的に2020年には高齢者人口はおおよそ3,500万人,高齢化率30%になるとされる1).この人口構成の変化のなかで,健康寿命に直接影響する移動障害や骨関節病変を生じる運動器疾患はますますその重要性を高めている2).これまで疼痛や機能低下はあっても,生命には直接関連しないと考えられていたが,こうした見方の修正も迫られている.併せて,高齢者人口の増加は要介護となる高齢者数に直結しているので,結果として急増する要介護者への対応も迫られている3).
日本リハビリテーション医学会は学術集会の企画や市民公開講座,生涯教育医師研修会などのテーマに運動器の問題を取り上げ,知識普及とともに研究・治療に力を入れているところである4).しかし,疾患の多くは加齢が基礎にあり,徐々に進行する多様な機能低下にどのように対処すべきか,他国に例をみない速度で進行する超高齢化社会にあって,対応に苦慮することも多い5).
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.